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核融合発電で高温超電導コイルが鍵 30年代実証を目指す
要約
核融合発電の実現に向け、高温超電導体(HTS)を用いた超電導コイルへの関心が高まっています。米CFSや日本のFASTなどが2030年代の発電実証を目指し、REBCO線材の脆さやクエンチ検出の手法確立が主要な課題となっています。
本文
核融合発電は「地上の太陽」とも呼ばれ、原子核の融合で得られる膨大なエネルギーを利用する技術です。トカマク型の核融合炉では、プラズマを強い磁場で閉じ込める必要があり、高性能な超電導コイルが重要な役割を担います。従来の低温超電導体に比べ、比較的高い温度で超電導状態を示す高温超電導体(HTS)は線材として期待され、2030年代の発電実証を目標に開発が進んでいます。並行して、線材の脆さやクエンチ検出など技術的課題の解決が求められています。
開発や状況のポイント:
・高温超電導体(HTS)は従来より高い温度で超電導になるため、核融合コイルの材料として注目されています。
・トカマク型では強力な磁場が必要で、商業炉では1基当たり1万〜数万kmの高温超電導線材が使われるとの見方があります。
・主流のREBCO線材はテープ形状で金属基板上に薄い超電導層があり、銅線と比べてもろく曲げやねじれに弱いとされています。
・「クエンチ」と呼ばれる超電導状態の崩壊を検出する手法の確立が課題で、光ファイバーによる温度計測など新たな手法が検討されています。
・米Commonwealth Fusion Systems(CFS)は2025年に大規模な資金調達を行い、2027年の実証炉SPARCと2030年代の商用炉ARC稼働を目指しています。
・日本の産学連携プロジェクトFASTは2025年11月に実証炉の概念設計を完了したと発表し、2030年代の発電実証を目指しています。
まとめ:
高温超電導コイルは核融合炉の出力向上や炉の小型化に寄与する可能性があり、各国や企業が開発を進めています。現時点では線材の取り扱いやクエンチ検出などの技術課題が残っており、各プロジェクトは2027年以降の実証段階や2030年代の発電実証を目標にしています。
